2015/10/18

ブロンプトンについて感想のようなもの。


ブロンプトンS6Lに乗り始めて2年と5か月。思うところを少し書いてみる。

◇長所;
  1. 輪行が楽(大きさ、信頼性)。
  2. 完成度が高い(弄るところがない)。
  3. 以前に乗っていたダホン(クロモリフレームのSPEED P8)よりも疲れない。長距離を走れる。
  4. 無調整で毎日、どこでも乗れる。輪行で大切な要素かも。
  5. 頑丈。
  6. 普段着で乗れる。
  7. フロント積載能力(2泊分荷物をSバックに入れても70kmくらいの距離は軽く走る。却って安定するようにも思う)。
  8. 愛好家によるコミュニティーの存在(この自転車を「この子」と呼べない俺には参加資格がない)。
  9. 新旧パーツの互換性(シマノとの互換性はないが、それ以上に新旧パーツの互換性をキープすることってすごいことだと思う。工業製品として完成している証拠。これがブランド力を下支えしている。)
  10. 自転車好きにはたまらない実用車。

◇短所;
  1. 重い。S6Lは11.5kgある。これを担いで輪行なんてムリだろって思う。転がしているが、担いでる人と出会うと本当に辛そうだ。
  2. ハンドリングがとてもクイック。
  3. ダホン(20インチ)と比べてスピードが出ない。
  4. 地方ではショップがなく、専門的なサービスが受けられない。
  5. タイヤの選択肢が少ない。 

◇弄った部分;
  1. グリップの交換(ノリが剥がれて回りだしたのでVelo Prolite Foam のスポンジグリップに交換。革製は高価で重いでしょう。これは軽量で安くて全天候型でお薦め。
  2. ペダルの交換(左右非対称は気持ち悪るかったので。三ケ島のEZプロムナードコンパクトペダルに即、交換。)
  3. フロントリフレクター撤去(重量低減)。
  4. リアリフレクター撤去(重量低減。反射テープをフレームに貼っている。
  5. ロゴシール撤去(角が剥がれてきたので剥がした。無料配布してくれてもいいと思うのだが、有料なので放置している)。
  6. バーエンド追加。バズーカのカーボン製。スポンジグリップでも手が痛くならない。
◇購入したアクセサリー;
  1. Sバック(コンビニ弁当がそのまま入る!夏場は2リットルのペットも。)
  2. イージーホイール(2個)
  3. フロントキャリア(和田サイクル、引っ張って転がせる。リュックとかもベルト固定して積載できるので、Sバックの出番が減った。)
  4. どこでもフォルダー&トピークのドリンクフォルダー
  5. 輪行バック(イージーカバー。これで十分。擦れて破れた部分を補修して使う。紐も切れたので交換。)
  6. サドル袋(IKD製、安いのでお薦め。ハンドルに付ければドリンクホルダーの代わりに。)
  7. IPHONEフォルダー
  8. 鍵(番号式、鍵を無くすことがあったから。)
  9. 乾電池式LEDライト
◇その他、思うところ
1.ブロンプトンのキャラ
  都心で行き帰りの輪行を楽しむのであれば、ブロンプトンはいい選択。でも自走のみのサイクリングで荒川CRを走っているとストレスが溜まる。ロードと並走はできないし、ダホンやBD-1には目の敵のように抜かれる。早く走るならば、ロードバイク。畳めて早く走るならばMR4になるんだろうね。ブロンプトンに乗るということは「ライダー」になるのではなく、「トラベラー」になることだと思う。
  それにしてもブロンプトンのパーツ・アクセサリー市場はすごい。娯楽度、満載。おーっ、すげーなっとある意味で感心して眺めている。スポーツサイクルとはかなり異なる新しい価値感。この自転車に対してペットやマスコット的な捉え方がある。彼らの愛車と出会うがパーツ・アクセサリーで賑やか。とても興味深い。しかし、英国製高級フォールディングバイクのブロンプトンだが、弄り過ぎ・やり過ぎたりすると際物化する。
  とは言え、外装変速化とかブルホーン化とは見た目はカッコいいよね。 フェンダーを外しただけでもコジャックのスリックタイヤが丸見えになる後姿に萌える。ブルホン化とかのカスタマイズには深く共感できる。どうせ趣味なんだから、みんなこれでOKなのだろうね。

2.フレームについて
  ブロンプトンはクロモリなのかどうかわからないが鉄でできている(カタログにもクロモリの記載はないような。ハイテン?)。鉄は錆びなければ高い耐久性能をもつ。弾性範囲ならば繰り返し荷重にも強い。アルミは鉄と比較して弱い。規定荷重内でも繰り返しの頻度が増せば歪んだり疲労破壊する可能性が高くなる。実用面では問題のない範囲だが、アルミを構造部材に使うには注意を要するところ。カーボンは荷重に対して変形がリニアに追従する特性がある。しなやかさを演出する要素になっている。炭素繊維シートを接着剤(エポキシ樹脂等)で固めて作る。紫外線劣化が起こるため塗装が必須。また鉄のフレームは曲がってぐにゃりと壊れるが、カーボンフレームはポキッと「折れて」壊れる傾向がある。金属パーツとの取り合いがネック。材料特性が全く違う素材が取り合うため構造的な弱点になるケースが多い。  ということで、鉄は重いけど丈夫。折り畳み自転車の素材としては優れていると思う。

3.ブロンプトン・バイシクル社について
  しっかりとしたブランドが確立されている。技術系の会社員として「自社ブランドの構築」を掲げて仕事をしているが、ブロンプトン・バイシクル社はお手本。
  1. 英国製。英国人が本国で手作り(今の時代、いいんだか悪いんだか。正直わからんが)。
  2. 開発ストーリーと歴史。
  3. 明確な設計思想とその継承。
  4. 工業製品としての完成度。
  5. 愛好家によるコミュニティーとインターネットによる情報発信(お城の集会やこのブログもブランド効果の表れなんだろうね)。
  6. 販売代理店との連携。国内独占販売権の付与。
    うまいことやってるなと思う。国内でこんな感じのブランド力を持った会社は富士重工(スバリストのレガシー)くらいかな。このブランド戦略を誤ると亀山工場のシャープのようになる。
  独自の折り畳み自転車で有名なショップで店長と雑談。ブロンプトンを扱いたいのだが、むつかしいんだよな、とボヤいていた。限定したショップもプレミアム感を出してブランド力を維持する方法になっている。

4.〆
  仕事でとても厳しい状況に置かれた。火中の栗を拾う仕事。潰れそうになる部下を支えにゃいかん。幹部も安心させにゃいかん。酒だと深酒になる。釣りだといろいろと考えすぎる。読書は集中できそうにない。ゴルフはドライバーを振り回して暴れそう。ブロンプトンで輪行するのだ。仕事のゴタゴタの合間に輪行のルートを考える。どんなに辛くても次の休みは輪行して遊ぶと決めた。期待通りブロンプトンの旅は心地よく仕事の重圧を忘れさせてくれた。リセット。休み明けは日焼顔で出社、あいつはいい年して一体何をやっているんだと。この自転車はにとても感謝している。