2014/01/13

旧江戸川行徳と妙見島

  成人の日が絡んだ3連休。連休初日に下館から小貝川を走ろうと計画していたが、財布がない。探し回ってもない。飲んで帰る途中、キャッシュディスペンサーでお金をおろして、そして財布もろとも無くしたようだ。モチベーション下がりまくり。くそ忙しいときに精算したお金が・・・。

「飲んだらおろすな。おろすなら飲むな。」

もう何処へも行かない・・・。

 とは言いながらも出掛けた。近場の水元公園。そう、癒しを求めて。身が引きしまるような冷え冷えとした静かな朝の水辺。懐も冷え冷えってか、あぁぁー思い出してしまった。

 で、ベンチで家から持ってきたコーヒーを飲んでいると、さてこれから何処へ行こうかとルートを考えてしまう。悲しい性(さが)。もうお金がないから輪行はしない。

 今日はこの公園を突っ切って江戸川CRにでる。そして旧江戸川の千葉行徳側から下るのだ。妙見島にも行って見よう。「癒しを求めて旧江戸川千葉行徳の旅」というところか。
 江戸川CR(東京寄り)を下流に進む。少し天気も良くなってきたね。うれし。市川大橋を潜ると篠崎のポニーランド。たてがみが少しなびいてそよ風になる。朝日を浴びて馬が芝を食む。平和な風景。
 「ウマ」が、かむことがあります。でも、馬に噛まれたら痛いどころではないような。エライことになる。POP体でフレンドリーな注意書きだが、楽しい週末に遭遇する地獄絵図が向こうに見える。
 「ウマ」 が、 かむとエライことになります。  怖っ。
  ここで、江戸川は二つに分かれる。江戸川と旧江戸川。旧江戸川は江戸川放水路とも呼ばれこのような水門が付いている。今日はこの水門を渡って旧江戸川を千葉行徳側から下ることにする。
旧江戸川水門。通路はこんな感じで通ることができる。

  旧江戸川の水門を渡り、しばらく一般道を走る。市川市の文化財、塩問屋の木造民家。フランス積みの本物のレンガ塀! 塀だけでも立派に明治の匂いがする。銅版葺きの庇も風格があっていいね。そこらの住宅展示場では絶対に見られない意匠が詰まっているのだ。住んでいる人の表札も出ている。ピンポンダッシュしたい欲求が沸く。駄目だよ。

  建物のすぐ前は一般道。側溝の蓋が緑に塗られた安易な歩道。千葉じゃよくある歩道のタイプ。車も50kmくらいでバンバン通る。なんとかならんのかなぁ、千葉の道は。事故が多いのが良く分かる。
 この民家の裏はすぐ旧江戸川。旧江戸川沿いにある常夜灯公園。堤防の整備が進みこの辺りは公園になっている。近くには茶屋のような売店もある。のんびり過ごせる場所。この常夜灯は1812年に航路の安全を祈願して建立された。行徳船はこのあたりから日本橋までを往復、物資と旅人を運んだ。成田山の参拝ルートの中継点としても賑わったとか。
 旧江戸川を行徳側から眺めて見る。このあたり一帯が常夜灯公園。向こうに茶屋兼売店も見える。ビールと唐揚げとかも売っていたな。夏は通らない方がいいかもね。

  常夜灯の説明看板にあった江戸名所図会。手前にこの常夜灯が描かれている。テレビで見た時代劇。その時代考証はこの「江戸名所図会」によるところが大きいと思う。
 こんな感じの遊歩道が葛西橋通の浦安橋まで続く。浦安橋から下流は一般道を走ることになる。この遊歩道、TDLまでオリエンタルランドが延長してくれるといいよね。
 でも今日はTDLには行かない。全く趣の異なる場所、「妙見島」に上陸(?)するのだ。
 これが「妙見島」。東京23区にある唯一の島。人工島ではない。タモリ倶楽部でも紹介された。

一応、島でしょ。

いついくの? 今でしょ!
オヤジはどこ? 居間でしょ!
ブロを担いで浦安橋から階段で降りる。これが妙見島のメインストリート!


  「この町のメインストリート、わずか数百メートル♪さびれた映画館とバーが5、6軒~♪」(by浜田省吾「MONEY」)。当然だが映画館もバーもない。でもなんだろう、この疎外感。来てはいけないところにいるような感覚。
  せっかく来たのだし。進もう。メインストリートを行くと突き当たり近くにプレジャーボードの展示場と月島食品のタンク。ボート展示場はニューポートマリン倶楽部に隣接する。
メインストリートには妙見神社。初詣とは無縁だろうな。他に産業廃棄物処理施設などがある。
浦安橋に隣接する食堂や船宿。やっているのかな。でも、なんだかなぁ、この空気は。
 島にあるレジャー施設はさっきのアリーナと船宿、そしてこのラブホ。休日の駐車場に車はなし。このラブホは密会向きか。平日に混んでそうな。

 で、もう見るところも行くところも無くなったようだ。入って行けそうなところもあるけど微妙。不法侵入になりそうな。
   「妙見島」は村上春樹の小説に出て来そうな空間。たぶん、この島から夜空を見ると月が二つ見える。家に帰ると、家族は少しだけ美男・美女になり、何故か息子は羊を探しに北海道に出掛けているのだ。そして家から見る夜空にも月が二つ。テッテイ的に違うところが少しある、似た世界に「戻る」ことになるのだ。   

  ブロを担いで歩行者用の階段を上って本土の浦安橋に復帰。僕は元の世界に戻れたのだろうか。カミさんが少しだけ美女になっているとうれしいな。

  とは言え、今まで通りに旧江戸川の東京側を下り、葛西臨海公園へ。妙見島と違い、全体に漂うこの親和感。楽しそうな家族連れや恋人達。やっぱ観光地だぁーと思う。妙見島は観光の対極にある場所だった。

  でも妙見島はそれ故にある意味、コアな観光地になるかも。
  妙見島に行ってみる? 少しだけ違う世界に「戻る」ことになるかもしれないけど。

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